行政書士に登録し事業を始めるにあたって、名刺は大切なツールです。会社から支給されるのではなく、自分で自由に作成することができる名刺、どのようなデザインにしようか、気分が弾みますよね。
私が最初に名刺を交換したのは、たしか同じ士業の先生だったと記憶しています。同じ行政書士の先生でした。
行政書士に登録すると、ご自身の事務所所在地を管轄している支部から連絡があり、新会員に対する支部の説明会や、支部交流会が行われます。そのときに、同期登録の方、先輩の先生方と名刺交換する機会があります。
すてきだと思う「名刺」は会話の種に
開業当時の名刺は、白地に、自分の名前・事務所名・住所・電話番号・メールアドレス・ホームページURLだけのシンプルなものでした。名刺屋さんに頼んだのではなく、「ラクスル」が提供するサービスを利用し、文字の配置や紙質(「上質紙」からはじめて、わしのような模様の「しこくてんれい」さらに石からできたつるつるした「ライメックス」という紙に落ち着きました。)を決めました。
行政書士事務所をオープンしたときには、誰もが初心者ですので、自分の専門を絞っていくのは、まだまだ先のこと。そうであれば、「行政書士が行うことのできる業務」を、相手に説明してあげるように、いくつも箇条書きで記してもいいかもしれません。相手が、建設業の会社を経営していれば、かならず「建設業許可申請」の文字に目が留まるでしょう。
裏面は、英語表記にしました。ただ、行政書士(= Certified Administrative Procedures Legal Specialist)を知っている海外の方はあまりいません。というのも、海外には「行政書士」にぴったり当てはまるような職業は無いからです。
箇条書きでも良いので、行政書士の業務を書いておいたほうが良いと思います。
ちなみに、行政書士に登録すると、株式会社全行団ホームページから注文をすることもできます。(株式会社全行団とは、日本行政書士会連合会及び地方協議会から出資を受けた行政書士の福利厚生、事務所運営を目的とした営利法人)
点字が打ち込んである名刺にすれば、目に障がいをお持ちの方にも優しい名刺となります。これがきっかけで、相続・遺言業務等につながったという話もききます。
行政書士会の公式キャラクターである「ユキマサくん」を名刺のワンポイントにいれて、フレンドリーさあふれるデザインにしている方もいらっしゃいます。(行政書士登録をすると日本行政書士会連合会が提供する「ユキマサくん」のイラスト画像を使用することができます。)
ユキマサくん(「行政(ゆきまさ)」から命名)
なかには、行政書士の徽章(バッジ)部分が”箔押し”でぴかぴか光っているものもありました。
名刺交換のときに、「お名刺はどこで作成なさったのですか?」と聞いてみると、けっこう会話が広がったりしますし、名刺を注文したところも教えてもらえたりもします。
「名刺」の質は、業務の質をイメージさせる
行政書士は、書類作成を行うことを業務としていますが、この「書類」こそ「紙」です。名刺も「紙」です。もしも、名刺が上質なものであれば、きっと、書類の作成も上質だろう、というふうに、相手は考えるかもしれません。
ですから、誰かと対面し、名刺を実際に手渡すとき、デザインはもちろんですが、紙の質は大切です。相手から名刺を受け取ったとき、どのように感じるかを思い出してみてください。名刺の紙の種類・用途については、ラクスルのページをご覧ください。
ペラペラのものだと、どうでしょうか?「ああ、家庭用のプリンタで作成したのだな」と思われてしまえば、プリンタの性能、そして、行政書士事務所の規模まで想像されてしまうかもしれません。
分厚すぎるのも、アナログな感じを与えてしまうでしょう。
このように触感は、相手があなたに対して抱くイメージを構成する一要素です。
「カタチから入る」ことは、けっこう大事なことではないでしょうか?行政書士業務経験が無い人ほど「カタチ」を大切にしてみましょう。
デジタル社会における「名刺」で大切なのは、わくわくするかどうか
今の時代、FacebookやEight(名刺管理のSNS)などの各種SNSでつながることができますし、名刺の電子化も進んでいます。
Eight(エイト)は、名刺をスマートフォンで撮影すると、すぐにそれがデータ化されます。たくさんの人と逢っていると、再会した時にとっさに名前が出ないことがあります。そういうときに、スキャンした名刺が、データベースでいつでも参照できるということはとても役に立ちます。
とはいっても、まだまだ、紙の名刺は、日本の文化として根づいていますよね。
では、こういう時代において、なにが大事なのでしょうか?それは、自分が使用していて、気分が上がるかどうか、という一点だと思います。
良い筆記用具を持つのと同じ感覚です。自分のお気に入りを携帯することは、想像以上に、営業のためのエネルギーになります。
いつか交換する日がくるまで、ぜひ、常に携帯してもらえたらなと思います。いつ、名刺交換のチャンスが来るか分かりませんよ。