行政書士開業時の事務所の選び方-使用承諾書Wordデータあり

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行政書士開業時の事務所の選び方-使用承諾書Wordデータあり

行政書士登録で、個人開業する際は必ず事務所の登録が必要です。

近年は、レンタルオフィス、バーチャルオフィスなど、様々なオフィス利用サービスがあります。

しかし、どの事務所形態が行政書士に合っているのでしょうか。

行政書士事務所という観点からそれぞれの事務所形態について、メリットとデメリットを紹介します。

自宅兼事務所

自宅を事務所として利用する形態です。ホームオフィスともいわれています。事務室付きの賃貸住宅を「サービスマンション」等と呼ぶこともあります。

自宅を事務所として登録をするには、所有者から行政書士事務所として利用するための使用承諾をもらう必要があります。使用承諾の書類は、行政書士登録時に「使用承諾書を、」を提出します。自分名義の場合は、建物の登記簿謄本を提出します。建物が所有者が、配偶者や家族の場合は、配偶者や家族から使用承諾をもらいます。

メリット

  • 通勤がない
  • いつでも仕事ができる
  • 固定費を抑えられる

デメリット

  • 依頼者や相談者を招きづらい
  • 公私の区別がつきにくい
  • ビジネスに必要な設備を備えにくい

賃貸オフィス

自社で独占できるスペースを借りるオフィス形態です。自由度が高く、業務内容に合った物件を選ぶことができます。

こちらも所有者等から使用承諾を得る必要があります。

メリット

  • 自社オフィスという信頼を得ることができる
  • 自社スペースを独占できるため内装なども自由に変更することができる

デメリット

  • 賃料のほか、保証金やオフィス設備の導入費など膨大な費用と手間がかかる
  • 移転に大きな労力を伴う

レンタルオフィス

個別に仕切られた個室空間をレンタルするオフィス形態です。

レンタルオフィス形態の場合、所有者又はサービス提供者から使用承諾を得ることになります。サービス提供者に行政書士登録することを伝え、必要な書類を準備してもらうようにお願いしましょう。

会議室やラウンジ等は共有スペースとして利用できる為、他社(者)とは適度な距離で交流を持っことができる信頼感やセキュリティに一定レベルのオフィス環境を求める方向けです。

鍵付きの個室スペースを設けたレンタルオフィスであれば行政書士事務所として登録できます。

パーテーションなどの仕切りだけの場合は、守秘義務やセキュリティー上に問題ありと判断され、事務所登録要件を満たさない可能性があります。

これらの要件は、各都道府県行政書士会によりばらつきがあります。事務所の契約前に登録予定の都道府県行政書士会に確認をするようにしましょう。

メリット

  • オフィス機器や商談スペースなどビジネスに必要な設備を備える施設が多く、初期投資が抑えられる
  • 個室のため一定のセキュリティレベルを保つことが出来る
  • 個室のため賃貸オフィスと同程度の自由度で業務を行うことができる

デメリット

  • 狭いため書類置き場に困る
  • 基本的に物販などの行為は禁止

コワーキングスペース

特定の座席に縛られる事が無い状態で他の利用者とスペースを共有するサービスです。

コワーキングスペース携帯の場合、所有者又はサービス提供者から使用承諾を得ることになります。サービス提供者に行政書士登録することを伝え、必要な書類を準備してもらうようにお願いしましょう。

固定のオフィスは必要としないが、業務のための拠点が欲しいという起業家に人気があります。鍵付きの個室スペースを設けたサービスの場合は、行政書士事務所として登録できます。

独立した業務スペースがないフリーデスク式の場合、基本的に行政書士事務所の登録は難しいと思います。コワーキングスペースを利用する際は、所属予定の都道府県行政書士会に相談するようにしましょう。

メリット

  • 賃貸事務所に比べると料金が安い
  • ビジネスに必要な設備が整っている
  • 他の利用者との交流ができ人脈が広がる
  • 事務所の移転が容易

デメリット

  • 他の利用者への配慮や情報セキュリテイへの備えが必要
  • 固定電話回線の設置や倉庫が必要なビジネスには不適
  • 各種金融機関の口座開設や融資の際の審査に通りにくい事がある

合同事務所(シェアオフィス)

1つの賃貸事務所に複数の事業者が同居する形態です。業務スペースと共有スペースがあり、間仕切りがある場合があります。

行政書士事務所登録には独立性が必要であり、最低でもパーテーションなどの間仕切りが必要です。都道府県単位会により登録の要件にばらつきがあるため、事務所契約前に登録予定の都道府県行政書士会に相談しましょう。

行政書士や他士業の場合、それぞれが法律上の守秘義務を負っているため、登録要件も緩く審査される傾向があります。

合同事務所の場合、所有者と合同事務所の代表者が賃貸契約をしていることがあります。その場合は、所有者と合同事務所の代表者(賃借人)から使用承諾を得る必要があります。

メリット

  • 賃貸オフィスに比べて料金が安い
  • 一人で借りるよりも低コストで信用度の高い建物を利用することができる
  • オフィス機器や商談スペースなどビジネスに必要な設備がある
  • 他の利用者との交流ができ人脈が広がる

デメリット

  • 他の利用者への配慮や情報セキュリテイへの備えが必要
  • 固定電話回線の設置や倉庫が必要なビジネスには不適
  • 口座開設や融資の際の審査に通りにくい事がある
  • 家賃を案分している場合、移転の足かせとなる

バーチャルオフィス

実際に入居せずに住所や電話番号などをレンタルするサービスです。

バーチャルオフィスの場合、事務所の実態がないことから、行政書士事務所の登録はできません。

メリット

  • 低料金で都心部など信用度の高い住所を利用することができる

デメリット

  • 業務スペースがない
  • 口座開設や融資の際の審査に通りにくい事がある

 

使用承諾書

実際に行政書士会に提出する使用承諾書の雛形です。(埼玉県行政書士会の使用承諾書)

使用承諾書のフォーマットは、各都道府県行政書士会のホームページに掲載されています。Wordデータ化しましたので必要な方はご自由にダウンロードして使用してください。

Word 使用承諾書

鈴木 篤

特定行政書士。合同会社法テック代表社員の鈴木です。実務のスペシャリストの行政書士を育てることが日本社会の発展に貢献するとの思いから行政書士カレッジを運営しています。

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