この記事は契印・割印の押し方、製本の仕方について、行政書士の鈴木篤先生に解説していただきます。
契印と割印について
契印(けいいん)と割印(わりいん)は、どちらも書面内容の変更を防止する役割があります。
契印(けいいん)とは、2枚以上にわたる文書がつながっていることを示すために押印する方法です。文書の差し替えを防止することができます。
割印(わりいん)とは、同じ内容の文書が2つ以上あることを示すために押印する方法です。同じ内容の文書が他にもあることを証明できます。文書内容を丸ごと変更されることを防止することができます。
契印のやり方
契印で使用するハンコは、契約書や定款の最後に押したハンコと同じものを使用します。
製本しないで契印する方法(これが基本)
1.ホチキスで止める
左側2か所をホチキス止めします。穴あけパンチで穴を空けることを考えて広く止めましょう。
2.見開の間に契印
ページを開いて真ん中のつなぎ目に押します。3枚目以上ある場合でも、最後のページまで同じように押印します。
別の契印のやり方(上側を折って契印する方法)
この方法は、印鑑を1つしか押さない場合におススメです。発起人1人で会社を設立する際の定款などで使えます。
ただし、このやり方は上に折り目がつきます。それが嫌な人は、前述の真ん中の継ぎ目に押印するやり方か、後述する製本の契印の方法でやりましょう。
1.ホチキスで止める
2.前ページを折って契印する
前ページを半分に折って、前ページの裏面と次のページの表面に押印する。
折り目がつきますが、書類の効力には問題なし。
製本の仕方(製本テープを使用しない方法)
1.ホチキスで止める
2.製本するための背表紙を用意する
A4用紙を用意
半分に折る。
三等分にする(大体で大丈夫です。)
六等分になるので、一つをハサミで切る(多少曲がっても大丈夫です。)
3.製本
切った紙を半分に折る。
切った紙(背表紙)にのりを付ける。
背表紙の半分を書類に貼り付ける。
残った背表紙の半分を表面に貼り付ける
製本テープという商品が販売されています。その場合は、白い製本テープを使用するようにしましょう。黒い製本テープだと、陰影が見えないので使用しないでください。
4.製本の部分に契印
表面の製本の紙のつなぎ目に押印する。
裏面も同様に、製本の紙のつなぎ目に押印する。
割印のやり方
割印も契印と同様、書面の最後に押したハンコと同じものを使用します。
書類が2つの場合
書類を重ねて上側を少しずらし、またがって押印します。文書の最後に押印した印鑑すべてを押しましょう。
書類が3つ以上の場合
複数の書類を重ねて上側を少しずらします。書類のまたがった部分に押印します。文書の最後に押印した印鑑分すべてで割印しましょう。
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