行政書士が商工会議所青年部(YEG)に入会するメリットとデメリット

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行政書士が商工会議所青年部(YEG)に入会するメリットとデメリット

行政書士として開業したとして、お客様となるべき企業とのコネクションはどこで見つければいいのでしょうか?その一つの答えが「商工会議所(JCCI)」およびその青年部「YEG」への加入です。

今回は、YEGにおける活動、そして、その活動が、どのように仕事に繋がっているかを説明します。

私は、かつて特許事務所の所員として、代表の弁理士先生に代わり、商工会議所・YEGに入会しました。そのときは、この団体が何をしているのかもまったく分かっていませんでしたが、活動を続けていくと次第に、その存在意義が分かってきました。とくに行政書士として加入するメリット・デメリットについて、お話したいと思います。

商工会議所とは

「商工会議所」とは、商工業の発展を目的として、様々な事業者によって組織される会員制の公益経済団体のことを言います。その歴史は、明治時代、1878年まで遡ります。かの渋沢栄一らにより、商工会議所の前身となる商法会議所が設立されました。もともとは、中小企業の声を国に届かせることが大目的でしたが、時代変遷とともに、仲間が集まって互いに情報交換や支援をし、そして研鑽していくという側面も持ち合わせるようになりました。

ちなみに「商工会議所」が、大きな市に設立されるのに対して「商工会」は、小さな市や町・村に設立される、という規模的な違いがありますが、活動の目的は、おおむね同じです。

そして、その構成員の中でも青年(といっても、さいたまは45歳までが「青年」)が集まるYEG(Young Entrepreneurs Group=若き企業集団)という団体があります。

入会する方法

私が所属しているのは、さいたま商工会議所青年部(さいたまYEG)です。まず、親会である、さいたま商工会議所に入会し、その後、青年部にも別途入会の申込みを行います。入会の方法は、原則として、YEG会員2名の推薦を得て、まず申込書を事務局に提出します。そして1度、何かしらのイベント等にオブザーバーとして参加し、そのあと、YEGの理事会で審議にかけられて可決されることによって会員になることができます。

ただ実際は、YEG会員に知り合いがいない場合でも、例えば、この記事を執筆している私が推薦者になることもできますし、申請書の提出前に、担当の会員が、YEGとは何かをご説明にあがりますので、その際に、ご相談いただければ大丈夫です。

活動内容

YEGは、会員間の交流や研鑽を目的に活動しています。YEGの基本単位は、委員会です。さいたまYEGは、委員会が13あって、それぞれに20名から40名ほどが在籍しています。
2つの委員会の上に、局長がいて、その上に、副会長、そして会長という非常に大きな組織です。総会員数は、最盛期で500名ほどでした。全員が、経営者です。各委員会には、対内的には、組織運営、会員研鑽・交流、また対外的には、地域貢献(さいたま婚活、さいたま小町・源氏オーディション、商店街活性化企画など)、そして行政に対する政策提言等が、活動内容として与えられ、すべての事業は、委員会メンバーで事業計画を立て、委員長以上からなる理事会にかけられてその審議が通過することで実行に移すことができます。

入会するメリット

もちろん、仕事上の付き合いも生まれます。私も、いまの職場にいるのは、さいたまYEGでのご縁があってのことでした。それも「納涼会」(コロナウィルス禍では、とてもできませんが)を、銀座のとあるところでやったときのものです。

また、私のように会社勤めをしたことがない者にとっては、組織の中に属するというものが、どのようなことなのかを学ぶきっかけとなりました。行政書士はけっこう一匹狼だったりする印象がありますが、人との交流の中でしか、信頼関係は育めません(よほど所属する事務所にブランドがあれば別ですが)。また、自宅兼事務所だったりすると、気持ちが内側へと向かってしまうことだってあるでしょう。とにかく交流をしていれば、何かしらの繋がりはできていきます。仕事にすぐ直結しなくても、あなたが「与える」側になるかもしれません。仕事を頂くためには、一定のGIVEが必要なのです。

さらには、企業の許認可等の申請を行う上で、例えば、建設業の社長との話を通して学ぶことが多いというメリットも想像に難くないでしょう。

入会するデメリット

仮にデメリットがあるとしたら、ある程度の時間を、YEG活動に充てなければならないということです。委員会活動自体は、午後7時頃から開始します。懇親会が盛り上がってしまい終電間近ということもあります。また、委員会が主催するメインの事業本番が迫ってくると、その準備に昼間から時間を割かなければならないことすらあります。身体的に疲労がたまっても、自己責任で体調管理しなければなりません。あと、交際費の金額も、けっこうなものになります(もちろん懇親会は、参加必須ではないですが、その場でしか生まれない貴重な話って多いですよね実際)。

ただしデメリットと比較できないほど、商工会議所青年部に入会するメリットは計り知れないほど大きいと私は思います。一見すると、デメリットに思えることも、会員の方々(皆が経営者クラス)は、しっかりと分かっています。YEG活動を一生懸命にできる者は、きっと、ビジネスにおいても、一生懸命、ベストを尽くしてくれるのだろう、と。

まとめ

商工会議所が何をしているのかと聞かれたら、中小企業のサポート(融資・政策提言・共済・国際事業)等と答えることができます。そのなかでYEGは、青年経済人の「研鑽と交流の集い」としての色を強く持っている団体です。入会するアクションを起こすことで、何かしらの収穫があると思います。

もし、すこしでもご興味がある方は私まで直接ご連絡ください。皆さまとYEGでお会いできるのを楽しみにしています。

岡嶋俊哉

行政書士の岡嶋俊哉です。私は国際文化に興味があり、外国人との交流を積極的に行っています。そのような縁から現在では在留資格(ビザ)申請や翻訳文書作成等の仕事をしています。前職では、国際特許事務所に勤務し、主に商標登録手続(英文書類作成含む。)に携わりました。また、某ラジオ局に勤務し、ゲストのアテンド等を経験。さいたま商工会議所青年部に所属し、各種イベントの運営委員等にも携わっています。

中央大学法学部卒業、埼玉県立浦和高等学校卒業、埼玉県行政書士会所属

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