行政書士の選び方

2023.10.18

行政書士の選び方には注意が必要です。行政書士は法的なプロフェッショナルであり、さまざまな法的な手続きや問題を助けてくれる重要な役割を果たしています。適切な行政書士を選ぶことは、法的な問題の円滑な解決や法的手続きの成功に直結します。行政書士を選ぶ際の重要なポイントを詳しく説明します。

行政書士への依頼の流れ

行政書士に依頼をする場合の流れは以下となります。

  1. 問い合わせ(電話やメールなど)
  2. 相談(行政書士事務所など)
  3. 見積り
  4. 依頼

行政書士の選び方

資格と登録

最初に確認すべきは、行政書士の資格を持っていることです。行政書士は国家試験に合格する等し、日本行政書士会連合会に登録することで資格を得られます。日本行政書士会連合会のウェブサイトには、登録されている行政書士を検索することができます。

日本行政書士会連合会

取扱業務

行政書士はさまざまな分野を取り扱っています。相談をする前に、その行政書士が専門とする分野に関する情報を収集しましょう。
大きく分けて3つの分野があります。

  1. 役所に対する許認可の手続
  2. 市民法務に関する書類の作成
  3. 法人設立関係書類の作成(登記申請書を除く)

まずは、上記のどちらの分野かを扱っているかを確認します。確認方法は、その行政書士のホームページやSNSがあれば、取扱業務を確認します。または、日本行政書士会連合会ウェブサイトで、行政書士を検索し、そこに取扱業務が載っていることがあります。

役所に対する許認可の手続

許認可に関する書類の作成や申請等の業務です。
許認可にもたくさんの種類があり、その許認可申請業務を扱っているのかも確認する必要があります。取扱業務に「各種許認可申請についてもご相談ください」と記載されている場合、まずは相談して、対応してもらえるのかの確認をすることが必要です。もし、その行政書士が対応できない場合でも、知り合いの行政書士を紹介してくれることもあります。

市民法務に関する書類の作成

遺産分割協議書、遺言書、契約書、内容証明などの書類の作成となります。相続・遺言業務を取り扱う行政書士であれば、遺産分割協議書や遺言書の作成に対応しています。
契約書のみの作成をお願いする場合は、事前に対応しているのかを確認する必要がございます。行政書士の場合、争っている相手と交渉し、示談書や協議書を作成することはできません。争いがある場合は弁護士に相談しましょう。
よくあるケースは、許認可申請の関係で賃貸借契約書や請負契約書の作成が必要になり各種契約書を作成することがあります。

法人設立関係書類の作成(登記申請書を除く)

株式会社や合同会社等の設立を依頼したい場合は、設立関係の業務を扱っているか確認します。行政書士は電子定款作成業務を行うことができるため、定款に貼る印紙税4万円を節約することができます。ただし、法務局への登記申請や登記申請書の作成はできません。登記申請や登記申請書の作成は、自分で行うか、司法書士に依頼をすることになります。
ただし、行政書士事務所によっては、司法書士事務所と提携をしていることがあり、ワンストップで会社設立を行える場合があります。

実務経験

行政書士の実務経験も重要です。長年の実務経験がある行政書士は、さまざまな状況に対処する経験が豊富であり、問題解決能力が高い場合があります。実績やクライアントの評判を調査して、実力を確認しましょう。
登録年数については、行政書士登録番号(8桁)の最初2桁で確認できます。最初の2桁は西暦の下2桁となっています。例えば、1313XXXXであれば、2013年に登録したことがわかります。
また、日本行政書士会連合会の行政書士検索であれば、登録年月日が表示されます。
この登録が近年だと、新人の行政書士であることがわかります。ただし、行政書士には公務員出身者や業界経験者、元行政書士事務所補助者などがいますので、登録年数はあくまで目安となります。

コミュニケーション能力

行政書士はクライアントとのコミュニケーションが重要です。分かりやすく説明し、質問に丁寧に答えることができる行政書士を選びましょう。相性が合うかどうかも検討しましょう。

費用と契約

行政書士の料金構造を理解しましょう。初回の相談料、手続の料金、成功報酬などが適用されることがあります。明確な契約を結び、費用について合意しましょう。

もし、報酬が高い場合、それは、専門性が高く、手間がかかることが通常です。許認可関係の申請で、書類の出来具合で許可がでるか否かが分かれる場合は、報酬が高いです。

アクセスのしやすさ

行政書士の事務所の場所やアクセスが便利かどうかも考慮しましょう。通常、法的手続きや相談には複数回の訪問が必要です。
また、ビデオ会議システムに対応していれば、行政書士事務所への訪問回数を減らすことができます。

信頼性と評判

インターネットや口コミなどで行政書士の評判があれば調査しましょう。過去のクライアントのレビューや評価を読むことで、信頼性を評価できます。

相談と情報提供

初回の相談を通じて、行政書士があなたの問題に対する適切なアプローチを提案できるかどうかを確認しましょう。行政書士はあなたのゴールを理解し、適切なアドバイスを提供することが求められます。

倫理規範の遵守

行政書士は職業倫理規範を遵守する義務があります。倫理的な標準に準拠して行動する行政書士を選びましょう。

複数の選択肢を比較

最終的な行政書士を選ぶ前に、複数の候補を比較しましょう。それぞれの行政書士から見積もりをもらい、選択肢を検討してから決定しましょう。

行政書士を選ぶ際は、慎重に調査と比較を行い、あなたの法的なニーズに最適な専門家を見つけることが大切です。行政書士の選択は、あなたの法的問題の解決に大きな影響を与えるため、注意深く検討しましょう。

鈴木 篤

特定行政書士。合同会社法テック代表社員の鈴木です。実務のスペシャリストの行政書士を育てることが日本社会の発展に貢献するとの思いから行政書士カレッジを運営しています。