行政書士の仕事は、単発のお仕事が多いですが、顧問契約があると事務所の経営が安定します。
今回は、技能実習制度や特定技能制度に詳しい廣瀬幹先生に、行政書士がどのように顧問契約を獲得するかについてお話を伺いました。
この記事を参考にしていただき、顧問契約に結びつけていただければと思います。
行政書士 廣瀬幹 先生
キャップストーン国際行政書士事務所 代表
筑波大学社会学類(法学専攻)卒業
上智大学法科大学院(法務博士)修了
元国家公務員(国家公務員Ⅰ種[法律職])
外国人技能実習養成講習講師
元バックパッカー。20代の頃アジアを中心に旅する。
1.他士業からのご紹介
1-1 どのようにつながるか
入管業務などの顧問契約は、他士業の先生からご紹介いただくことが非常に多いです。他に、ホームページやブログの記事を見ていただき顧問を依頼されることもあります。
ご紹介いただくためには、業務の経験や知識があること、人格的にも問題ないことをアピールすることも当然必要ですよ。 そのためには、士業の交流会で名刺を配り、他士業の先生と関わることが重要だと思います。
1-2 依頼者の特徴
顧問契約を頼んでくる方は、外国人の雇用した経験が無く不安ということで、だれか業務に精通している人にサポートしてほしいという思いがあります。そうした思いから、入管業務の顧問としてサポートしてくれないかというケースが多いと思います。
最初のご相談の時に、「そういったサポートができる人間です」、とお話しすることが大事なポイントです。
ご紹介いただく士業の先生にも特徴があります。弁護士さんからのご紹介は、比較的難易度の高い案件が多いと思います。
例えば、在留特別許可を取得してくれないかとか、逮捕されているけど、在留期限が切れそうなので期限を延長してほしいなどの案件が多いと思います。 士業の先生も、お客さんも、こちらが自信を持って話をしているかどうかを見ていますので、 それを見せることは、大事なポイントです。
「なにか自信がありそう」とか、「入管業務の経験が結構ありそう」と思われると、顧問契約を頼まれることが多いのかなと思います。
2.顧問契約
2-1 どのような内容なのか
例えば、技能実習生の「監理団体」や特定技能の「登録支援機関」などは、技能実習や特定技能の制度について、相手方がわからないことにしっかり答えるということです。
他にも、例えば、登録支援機関の登録申請をしたいが、受け入れ実績がないため登録が取れない。こういう時に、経験のある人を紹介してほしいとなります。
2-2 依頼者は企業が中心
依頼者は、企業さんが基本になります。特に中小企業ですね。中小企業の方が、信頼関係を築きやすいなと感じます。
大企業の場合、社長ではなく担当者がつく場合が多いので、コスト感覚で見られることが多々あります。担当者レベルだと、結構シビアなところがあるので、「お金払っているんだから、いろいろやってよ」と言う人が多いように感じます。
その点、社長が直接対応してくれる中小企業の方が、信頼関係を築いて長くやっていきやすいと感じています。
なお、個人から顧問契約を頼まれるということは、まずありません
2-3 顧問契約の報酬の決め方
私(廣瀬先生)が最初に提示しているのは、月3万円(税抜)くらいです。
士業者の場合、時給ベースで報酬を考えますので、時給5,000円で、多くて月6時間相談として3万円(税抜)という考え方をしています。
もちろん、お客様によっても考え方を変えた方が良いかなとも思います。
3.技能実習の外部監査人制度
顧問契約の派生として、監理団体ですと外部監査人制度があります。これで月何万円と請求出来ます。
外部監査人として入ったけど、業務が広がっていくというのはありえる話です。顧問先と締結する契約の中で、契約の範囲をしっかり特定しておく事は大事です。
入管業務等の国際業務に関する諸々の相談とか、限定しておくと業務が広がっても、契約書に書かれている通り、別料金になりますと言えるので、契約書に明記していくことが大切だと思います。
4.まとめ
顧問契約や国際業務にあたってアドバイス
顧問契約を獲得しても、すぐに契約を切られてしまったら意味がないので、お客さんが欲しがっている生きた情報を継続的に収集し、流していくことが必要です。知識を持っているということは最低限の取り組みになります。
これらを活かし、顧問契約の獲得を目指していただければと思います。