事前に各業務のポイントを知っておくことで、懲戒を避けることができます。このきじでは、懲戒になりやすい行政書士業務3つを紹介します。
1.【質問】行政書士として気を付けるべき業務
「専門分野を決めず、依頼のあった仕事は受任したいと考えています。気を付けた方が良い業務がありましたら教えてください。」という質問をいただきました。
2.懲戒の多い行政書士業務ランキング3とその対応
第3位 会社設立業務
会社設立業務は、主に行政書士と司法書士が連携して行う業務です。行政書士は、株式会社設立の場合、定款の作成や公証役場での定款認証手続きを行います。
法務局への設立登記申請は、司法書士業務となり、行政書士が行うことはできません。そのため、登記申請までサポートするのであれば、司法書士と連携して対応します。
第2位 市民法務
市民法務の代表的な業務は、遺言・相続業務です。他に契約書の作成業務や内容証明郵便の作成業務があります。市民法務で気を付けるポイントは、当事者間で争いに発展する可能性があると予見できる場合は、弁護士を紹介するなどの対応をすることです。
行政書士が当事者の間に入って交渉や説得をすると弁護士法違反となります。
例えば、
- 「●●さん、ちょっとこういう条件を飲んでください。」
- 「これでちょっと妥協していただけませんか?」
交渉や説得をすることです。
これはいわゆる非弁行為に該当する可能性があります。行政書士が、非弁行為を行うことは、弁護士法違反となります。非弁行為とならないために、事前に弁護士に相談をしたり、弁護士と連携をとることが必要かと思います。
第1位 国際業務
行政書士業界では、外国人の在留資格手続の業務を国際業務や入管業務と言ったりします。この国際業務は行政書士の存在なしに語ることはできないのではないかと思います。
しかし、国際業務には、常に甘い罠が潜んでいると思われます。ブローカー絡みで、行政書士が処分されてしまう事例も後を絶ちません。
不法就労(在留資格が無いのに働く)、不法滞在(オーバーステイ)、虚偽申請(偽装結婚等)などに、行政書士が手を貸してはいけません。
国際業務は、高度な倫理観を持って、外国人の方の権利擁護にあたることが必要であると思います。
3.まとめ
懲戒の多い業務は以下となります。
- 国際業務:虚偽申請とブローカーからの依頼
- 市民法務:非弁行為の判断
- 会社設立業務:司法書士と連携して対応3:行政書士法の勉強不足
行政書士は、やりがいのある業務です。業務ごとの注意点を事前に把握しておくことが大切です。また、他士業との連携をして、業務を進めていくことも大切です。
法令を順守し、業務に対応していくことが大事だと考えます。