行政書士はどのように業務の報酬を決めているのでしょうか?
行政書士事務所を開業したばかりの頃は、どのくらいの報酬にすればよいのか分からないことも多いと思います。
そこで、報酬額を決める方法をいくつかご紹介します。
報酬額統計価格を参考にする方法
日本行政書士会連合会が公表している報酬額の統計を参考に、価格を設定する方法です。
PDFデータにて、各業務ごとに「平均」「最小値」「最大値」「最頻値」が記載されています。
参考にする数字は、「平均」と「最頻値」です。最頻値とは、最も多く出てくる数字となります。
最頻値より少し高めに設定しておくと、もしも受任後に自分で処理できない時などに、他の事務所に外注しやすくなりますのでおススメです。
顧客から「なぜこの値段なんですか?」と聞かれても、この表を見せれば説明しやすいと思います。
原価から計算する方法
行政書士事務所のコストを計算して利益をのせる方法です。コストプラス法といいます。
行政書士事務所では、人件費(自分の費用も含む)、事務所家賃、広告に力を入れている場合は広告宣伝費などの経費が高くなります。
それと、事業主である行政書士が、どれくらいの年収が欲しいのかでコストは変わります。年収を決め、働く時間で割り、時間単価を算出しましょう。
そして、業務が何時間くらいで終わるのかで時間単価を掛け算します。これに、他の経費分の割合をのせて算出します。
メリットとしては、他の事務所を気にせず、自分の事務所都合で価格を設定できることです。
デメリットとしては、その顧客が望む金額が反映されていないことです。
他の事務所の報酬を参考にする方法
インターネット等で他の事務所の価格を調査し、同等の報酬額で価格設定をする方法です。市場価格追随法といわれます。
調査範囲をどこまでに設定するかで価格が変わってきます。例えば、東京都23区と沖縄県では価格に違いがありますよね。
この方法は、市場に合わせた価格となり、顧客は価格に対して納得しやすくなります。
ただし、価格競争に陥り、受任はしたが全然儲けがでない、ということになる可能性もあります。価格競争はキリがないので、サービスや専門性等で他の事務所と差別化を図った方がよいでしょう。
プランを設定する方法
お手頃、標準、フルなど、値段に段階を設け、真ん中のサービスを選んでもらう手法です。段階価格といわれます。
例えば、相談コース、書類作成コース、申請フルコースなどのように、サービス内容を分割して提供します。
セットコースで価格を設定する方法
他の商品と一緒に頼むと安くなる設定にする手法です。抱き合わせ価格といいます。
例えば、「建設業許可申請+会社設立セット」では、会社設立の報酬を50%値引きする、等です。
実務上では、こうした業務を一緒に受任して業務を進めた方が効率的なことは多々ございます。自分の取扱業務と関連する業務は対応できるようにしておきましょう。
また、司法書士、税理士、社会保険労務士などの他士業者と提携しておくと、提案する業務の幅が広がり、顧客からも喜ばれます。