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・開業するのにお金はどのくらいかかるの?
・レンタルオフィスと自宅事務所だと初期費用はどれくらい違う?
・最低限かかる開業資金っていくら?
・融資を受けるために収支表を作成する必要がある。
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これらの悩みを解決できる記事となります。
この記事を見れば、行政書士事務所を開業する際に準備する開業資金の目安がわかります。
私自身、自宅事務所、合同事務所、賃貸事務所等で開業をしていました。
「行政書士登録費用はいくらかかるのか」、「行政書士事務所で必要な備品」を意識することが大切です。ぜひ参考にしてみてください。
1.行政書士登録費用と事務所家賃
行政書士事務所開業で大きな負担になる費用は「行政書士登録費用」と「事務所家賃」となります。
行政書士登録費用は東京都の場合255,000円が必要になります。東京都行政書士会では会費が月7,000円であり、登録する際に3か月分の会費をまとめて支払います。
また、事務所の所在地により所属する支部が決まります。「東京都行政書士会 〇〇支部」などと呼ばれます。
支部会費は、月0円~1,000円程度がかかります。支部によっては支部会費が無料のところもあります。
つまり、行政書士登録時に約30万円が必要となります。
なお、登録費用や月会費は都道府県毎に異なるため、各都道府県行政書士会へ確認しましょう。たいていは各都道府県行政書士会のホームページに「入会の案内」ページがあり、そこに費用が掲載されています。
支部会費はほぼ公表されていないので、所属予定の都道府県行政書士会に確認しましょう。
次に大きな費用は、事務所の家賃です。事務所の立地や見た目は、集客力やお客様からの信頼にもつながる重要な要素です。
家賃を抑えるため安い物件を選ぶと、建物が老朽化していたり、立地が悪かったりします。ボロボロの建物は事務所の印象が悪くなります。結果として、お問い合わせ率が下がることにもなります。
近年は、GoogleマップやGoogleストリートビューなどで、簡単に事務所建物を特定され外観を確認することができます。そのため、安い別件でも、ある程度キレイな物件を選ぶといいでしょう。
賃貸サイトで、住居用・事務所利用不可となっている物件でも、行政書士事務所なら貸してもらえる物件もあります。国家資格者は社会的信用が高いため、貸す方(オーナー)から安心してもらいやすいです。
次に自宅事務所についてですが、自宅事務所は事務所家賃がかからないので、固定の顧客がいなく仕事が安定していない方におススメの開業形態です。賃貸自宅の場合は、オーナー(所有者)から行政書士事務所として使っていいよという「使用承諾」を得る必要があります。公共住宅では、基本的に使用は認められないと考えてください。
それと、事務所の住所は日本行政書士会連合会ホームページで公表されます。自宅が特定されることになります。女性の場合、防犯上、自宅住所を公表することに抵抗があるかもしれません。
他には、レンタルオフィスという形態もあります。レンタルオフィスは、立地やアクセスが良く、比較的きれいなビルにあります。また、会議室スペースも用意されていれば、事務所に依頼者を呼ぶこともできます。注意点は、行政書士事務所の場合は、個室である必要があるので、バーチャルオフィスや共用スペースを利用するコワーキングカフェではは登録できない可能性があります。
2.必要資金について
行政書士事務所開業に必要な資金として、①初期費用(最初だけかかる費用)と②毎年かかる経費があります。
今回は、自宅事務所とレンタルオフィスの2パターンで、①初期費用と②毎年かかる経費をシミュレーションしてみようと思います。いずれも東京都で開業した場合を想定します。
自宅事務所
自宅事務所の場合、費用を抑えれば40万円で開業することができます!
ホームページ制作はフォーマット等を購入し、自身で制作することで費用を抑えることができます。ホームページを持たないで、ブログやSNSのみで活動することも可能です。
収支をみると、家賃がかからないため、費用が抑えられています。しかし、客先へ出向くことが多く、旅費交通費の割合が高くなります。移動時間が多くなる分、ノートパソコンやタブレットなどを駆使し、電車の中で仕事をする環境を作るといいでしょう。
車移動の場合は、ながら作業ができないので、移動先を複数にするなど、移動ルートを工夫するとよいでしょう。
移動ルート例 客先→法務局→市役所→郵便局など
初期費用
勘定科目 | 項目 | 初期投資額 |
開業費 | 行政書士入会金 | 200,000円 |
開業費 | 行政書士登録手数料 | 25,000円 |
開業費 | 行政書士登録免許税 | 30,000円 |
開業費 | 販促費(名刺代) | 3,000円 |
広告宣伝費 | ホームページ制作費 | 10,000円 |
設備備品費 | パソコン | 100,000円 |
設備備品費 | 複合機 | 30,000円 |
設備備品費 | その他備品 | 20,000円 |
合計 | 398,000円 |
収支計画表
項目 | 増加率 | 初年度 | 2年度 | 3年度 | 4年度 | 5年度 |
売上高 | 20% | 2,000,000円 | 2,400,000円 | 2,880,000円 | 3,456,000円 | 4,147,000円 |
経費計 | 844,000円 | 877,000円 | 964,000円 | 1,031,000円 | 1,098,000円 | |
家賃 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
事務用品費 | 70,000円 | 18,000円 | 20,000円 | 22,000円 | 24,000円 | |
販売促進費 | 30,000円 | 40,000円 | 50,000円 | 60,000円 | 70,000円 | |
通信費 | 120,000円 | 130,000円 | 140,000円 | 150,000円 | 160,000円 | |
消耗品費 | 50,000円 | 70,000円 | 90,000円 | 110,000円 | 130,000円 | |
旅費交通費 | 240,000円 | 280,000円 | 320,000円 | 340,000円 | 360,000円 | |
教育訓練費 | 120,000円 | 120,000円 | 120,000円 | 120,000円 | 120,000円 | |
新聞図書費 | 60,000円 | 60,000円 | 60,000円 | 60,000円 | 60,000円 | |
会費 | 84,000円 | 84,000円 | 84,000円 | 84,000円 | 84,000円 | |
その他経費 | 70,000円 | 75,000円 | 80,000円 | 85,000円 | 90,000円 | |
利益 | 1,156,000円 | 1,523,000円 | 1,916,000円 | 2,425,000円 | 3,049,000円 |
レンタルオフィス
次に、レンタルオフィスの開業パターンです。事務所の場所を探す市場調査研究費やレンタルオフィス会社への支払い費用等の出費が多くなっています。また、ホームページについては、外注業者に発注し、ホームページからの集客に力をいれたシミュレーションとなっています。
収支については、初年度と2年度については、家賃(家賃月5万円で計算)の負担が重く感じますが、3年度以降になれば、家賃の負担比率が下がっています。売上高が上げると、家賃の負担が減っていきます。ホームページ制作に資金をかけている分、集客につながり売上が上がっているようです。
初期費用
勘定科目 | 項目 | 初期投資額 |
開業費 | 行政書士入会金 | 200,000円 |
開業費 | 行政書士登録手数料 | 25,000円 |
開業費 | 行政書士登録免許税 | 30,000円 |
開業費 | 販促費(名刺、DM代) | 100,000円 |
開業費 | 市場調査研究費 | 50,000円 |
広告宣伝費 | ホームページ制作費 | 280,000円 |
設備備品費 | パソコン | 200,000円 |
設備備品費 | 複合機 | 30,000円 |
設備備品費 | その他備品 | 20,000円 |
物件取得費 | 保証金(3月分) | 150,000円 |
物件取得費 | 契約手数料(2月分) | 100,000円 |
合計 | 1,185,000円 |
収支計画表
項目 | 増加率 | 初年度 | 2年度 | 3年度 | 4年度 | 5年度 |
売上高 | 20% | 3,000,000円 | 3,600,000円 | 4,320,000円 | 5,184,000円 | 6,220,000円 |
経費計 | 1,554,000円 | 1,579,000円 | 1,666,000円 | 1,733,000円 | 1,800,000円 | |
家賃 | 600,000円 | 600,000円 | 600,000円 | 600,000円 | 600,000円 | |
事務用品費 | 80,000円 | 20,000円 | 22,000円 | 24,000円 | 26,000円 | |
販売促進費 | 50,000円 | 60,000円 | 70,000円 | 80,000円 | 90,000円 | |
通信費 | 150,000円 | 160,000円 | 170,000円 | 180,000円 | 190,000円 | |
消耗品費 | 100,000円 | 120,000円 | 140,000円 | 160,000円 | 180,000円 | |
旅費交通費 | 240,000円 | 280,000円 | 320,000円 | 340,000円 | 360,000円 | |
教育訓練費 | 120,000円 | 120,000円 | 120,000円 | 120,000円 | 120,000円 | |
新聞図書費 | 60,000円 | 60,000円 | 60,000円 | 60,000円 | 60,000円 | |
会費 | 84,000円 | 84,000円 | 84,000円 | 84,000円 | 84,000円 | |
その他経費 | 70,000円 | 75,000円 | 80,000円 | 85,000円 | 90,000円 | |
利益 | 1,446,000円 | 2,021,000円 | 2,654,000円 | 3,451,000円 | 4,420,000円 |
以上が初期費用と収支となります。
いかがでしょうか?
行政書士は仕入れなどの費用がないため、資金繰りなどではあまり困らないでしょう。
飲食店の場合は、食材を仕入れなければなりません。もし、お客さんが来ない場合は、食材が余り廃棄となります。さらに、店舗は立地が良いところでなければ、集客に大きく影響します。お客さんがこなければ資金が底をつき、廃業というパターンになりやすいです。飲食店は2年以内に約半数が廃業すると言われています。
一方、行政書士は自宅開業した場合、ほとんど費用がかからないため、廃業することはほぼありません。資金繰りの面から考えれば、非常にリスクの少ない事業といえます。資金面では、生活費をどのように捻出するか(アルバイト、扶養になる等)さえ考えれば廃業することはないと考えていいです。
同じ士業でも、弁護士は会費だけで年間50万円程度の費用がかかります。高額な会費により、弁護士登録できない方もいると言われています。
それに対し、行政書士の年会費は約8万円です!弁護士に比べると非常に安いです。
開業するか悩んでる人は、とりあえず自宅事務所で開業するのもいいと思います。