行政書士が廃業するには理由があります。この記事では、廃業者の主な3つの特徴を紹介します。廃業者の特徴を把握し、事前に対策するようにしましょう。
1.【質問】行政書士は、廃業率が高い?
「行政書士は廃業率が高いとネットの情報で見たのですが、本当でしょうか。」という質問をいただきました。
行政書士事務所を廃業する人には理由があります。廃業者の特徴を知り対策をすることで、廃業リスクを減らすことができます。
2.行政書士事務所の運営
行政書士は、廃業率が高いとよく言われますが、一理あると思います。
ただ、行政書士として継続できている人もいるので、廃業する人にはいくつかの特徴がります。主に3つの特徴があると考えられますので紹介します。
2-1 事務所の経営と営業
事務所の経営と営業に無頓着な場合は、廃業する可能性が高いと考えられます。これは、収入が少なくて廃業するパターンです。
行政書士実務のスキルを高めるのは、とても重要です。しかし、実務スキルを発揮できる場がなければ、本当の意味での実務力はアップしません。実務の勉強はもちろんですが、事務所の経営を意識し、営業に力を入れていくことが大切です。
実務をこなし依頼者のために行動をして最高の結果を得ることで、実務スキルが磨かれ、次の受任につなげることができます。
2-2 社会人としてのビジネスマナー
ビジネスマナーが欠けている人も、同様に廃業する可能性が高いと思います。これは、行政書士というよりは、社会人としての個人の問題といえます。
行政書士は、士業である前に一社会人です。謙虚な姿勢で人と接することができる人が、行政書士業界でもご活躍されています。「先生」と言われるからと言って、偉そうに接してはいけません。
当然ながらお客様あっての仕事です。以下のような行動は注意が必要です。
- 挨拶ができない
- 名刺交換がまともにできない
- 相手を敬うことができない
- 自分勝手である
- 謙虚な姿勢で人と接することができない
他にも服装も重要です。おしゃれをするという意味ではなく、基本的なドレスコードが守れなかったり、打ち合わせや面談に私服で来てしまったりとかです。意味があって私服で来られる方はいらっしゃいます。やはり、その場に合わせた服装で来ることが大切です。
それと、相手が年下だと分かると、その瞬間に、急にタメ口になる方がいますが、これも相手に対して大変失礼です。
行政書士さんで普段仕事をバリバリされて活躍されている先生方は、多くの場合、常に謙虚です。年下の人間にも、丁寧語で謙虚な姿勢で接しています。
先輩やベテランの先生とか、業歴がはるか長い先生方の方が低姿勢な印象を受けます。こういう謙虚な行政書士だからこそ、業界でご活躍されているのだと感じます。名刺交換をさせていただくときも、垣間見えます。普段お客様と接している時も、きっと、低姿勢で、「お客さま目線で」行動されているじゃないかなと推測できます。
2-3 行政書士法の勉強
行政書士法が勉強不足だったり、そもそも知らなかったりすると、廃業の可能性が高いと思います。これは、法令違反を犯すことでの廃業といえます。どんなに売上が多くても、違法なことをしてしまうと廃業してしまうので、行政書士法の勉強もとても大切です。
行政書士の実務をするには、行政書士法を理解し、弁護士法、司法書士法、税理士法などの他士業法を確認したうえで、行動する必要があります。
行政書士法は、例えるならスポーツのルールと言えます。ルールを知らないと、お客様へご迷惑や損害を与え、また、行政書士の評判や信頼を落とすことで同業者へも迷惑をかけてしまうことになります。こういったところを、きちんと把握して行動していくことが大切です。
例えば、会社設立業務で、定款作成と定款認証を行い、その後の登記申請書の作成と提出まで「ついでだから。」とやってしまう。これは当然司法書士法違反になります。
もう一例挙げると、相続業務の遺産分割協議書の作成業務で、遺産分割協議書の作成の際に、相続人の方と交渉してしまったりとか、一方の当事者相続人の方を説得してしまったりとかをしてしまうことです。こうした、交渉などをしてしまうと弁護士法違反になります。
行政書士は業として何が行えるのかを行政書士法で学び。他士業の独占業務は何かを把握することで廃業リスクを減らすことができます。
この業務は行えるのかがわからない場合は、その業務を行ってはいけません。先輩の行政書士に聞いたからも通用しません。自己責任であることを意識して行動してください。
3.まとめ
廃業する人の特徴は以下となります。
- その1:事務所経営や営業に無頓着
- その2:ビジネスマナーが欠けている
- その3:行政書士法の勉強不足
廃業者の特徴を知り事前に対策することで、廃業リスクを減らすことができます。